Kの休日
※18禁描写有り※
「んっ、あっ……」
啜ってやりたくなるほど潤んだゴールドの目、噛みつきたくなるほど反った白い喉、でも他の場所は体温が上がってピンク色。
俺が押し倒してセックスしてるのは、今まで生きてきて俺しか知らない初心な男。おっ立てたモノを本来の目的に使う事なんて一生ないって事実をきっと知らない、可愛そうな男。女みたいに突っ込まれて喘ぐのを俺に教え込まされてしまった、可愛い男。
「は……っ、かーわいいの」
「やだ、やめ、おねが……、ひっ、いやっ」
父親を亡くしてから甘やかされた事がないだろうコイツは、俺が触れたり少し動いたりするだけですぐ受け皿がいっぱいになっちまう。こんな反応、きっとバージンのティーンだってしやしないんだろうなぁ、と俺は思いながら毎度毎度腹がいっぱいになるまで貪っちまう訳だ。
「アンタの嫌、なんて、信用できないし……!」
「ほんとに、も……!いや、もう、無理」
ぼたぼたと涙が落ちる。イイよ、アンタ本当に綺麗だな。何でもしてやりたくなるよ。
でも「無理」ってのはいただけねぇから、却下。それに俺はまだ足りない。まだ2回しか出してない。もっと、アンタの中、ぐっちゃぐちゃにしてやりたい。明日(もう今日かも)オフだし、さ?もう気絶するまでヤったって誰も怒りゃしねぇから。
「ひゃ、あ……あっ、ん……っ」
イイ声だ。もっと聞かせて欲しい。
ひたすら揺すって、突き上げて、早く早く、アンタの中。ああ、もう限界。
「あっ、やっ、あー……っ!」
「あー……」
跳ねる身体を押さえて流し込んで。ああ、ホント気持ちイイんだからアンタの中。
長く息を吐いてしっかり流し込んで、くったりした額にキスをする。なあ、まだまだこれからだろ。
「まだダウンには早いぜハニー」
「……え、ちょっと、らいあん」
まだ余韻から抜け出せないのか、回りきらない舌ったらずな声。イイね、ホント。
一回抜いて、どろりと溢れる眺めを楽しむ。額から少しずつ降りていくキスを、アンディが手で押して止める。これからだろ?もうへばった?
「まーだ、これからだろ」
「もう無理、です……」
「大丈夫大丈夫」
ぐいぐい、と押す力が強くなる。
「ちょ、アンディ」
「……本当に……、無理なん、ですっ」
うっすら青く光る俺の下の身体。え、ちょっと。
「えっ、ちょ、待っ」
――なんか覚えのある感じで、俺の意識はブラックアウトした。
「……流石にさぁ、これはないと思うんですけど。アンドリューさん?」
右頬にべったりと貼られたのは湿布薬。固定するために使われたテープは、目の下ギリギリの、結構邪魔な位置まである。
俺の意識を見事にブラックアウトさせたのは、何時ぞやからベッドサイドを定位置にしていたジュークボックスだ。アンディの能力に引っ張られて、コンセントをぶち切って俺の頬骨にどっどーん!という訳だ。
「……」
「アンドリューさん」
「……」
「あんどりゅーさーん」
救急箱を抱えた傷害事件の犯人は、俺から顔を逸らしたままだんまりを決め込む。スラックスを穿いた足をつつくと、身体ごと逃げられた。
「アンディ、流石の俺様も怒るぞ」
「……怒りたいのは、俺の方です」
「あ?」
アンディが顔を上げる。まだ潤んだゴールドが俺を見る。
「無理って、言ったじゃないですか。それなのに、無視して……。俺は貴方に合わせてたら死んでしまいます」
「んな大袈裟な……」
死ぬ死ぬってセックスで言う奴は、絶対そんな事を思ってない。そういうのって演技入ってるしな。
でも、アンディがぎりぎりと俺を睨みつける事は止めない。
「死にます。俺は、本当を言うなら、こんな頻繁にしたくないんです。1週間に1回くらいで別に……」
「はあ?それって俺に死ねっつーこと?」
1週間に1回って月4?んなの我慢できるかっつーの!
「そうまでは言ってません。……ただ、その……」
「……」
まあ言いたい事は分かった。そりゃー男同士なんて身体からしても想定外の大イレギュラーだ。ボトムの方には負担が大きいし、一晩に複数回やればそれだけ辛くなる。んな事は最初から俺だって分かってはいる、が。
「アンディ」
「……」
「俺がそりゃ、悪いとこがあったのは分かったし、謝るけど……」
アンディが息を吐く。瞬きをして表情を作る。いつの間にか見慣れた「仕方ないですね」って感じの、顔。割とこういう感じで、俺の色んな事を受け入れてくれたりしてくれてた。
「……歩み寄り、です。俺も貴方も、どちらかに合わせるよりも」
「だな、分かってる。……あーあ、アホみたいな理由だな」
俺達はガキじゃなくて、もうイイ大人で。でもイイ大人だからこそ、こんなアホな事をするのかもしれない。手を繋いで満足じゃないから、こんなアホな理由で怒ったり、怪我したりする。
「しっかしこれ、長引かねぇと良いけど。俺様の顔は仕事道具だぜー」
「腫れさえ引けば、後は何とでもなると思いますけど……」
「だといいけど」
ごろん、と横になる。床にはコードが千切れちまったジュークボックス。寝て起きたら、修理に出さねぇと。……ああ、でも二人で直してみるってのもいいかもしれない。どうせオフだ。そういう時間の使い方もきっと、悪くない。
「とりあえず寝よーぜ、アンディ」
「……はい」
「んな固くなるなよ。流石に何にもしねぇっての」
「分かってます」
と言いつつも、ちょっと様子を窺いながら横になった身体を抱きしめる。多分湿布の匂いがきついんじゃないかと思うけど、我慢してくれよ。
「あー……ねむ」
「流石に疲れたでしょう、貴方も。……俺ももう、限界……です」
「ん」
旋毛に鼻を埋めて、目を閉じる。さて、起きたら何時になるだろう。