白黒的絡繰機譚

Z対象の転寝

18禁ではないですが、少々それっぽい雰囲気有り

終わった後すぐ眠くなるのは仕方がない。
だけど流石にゴムもつけないで抱いたとなれば、勝手に一人寝るのは勝手すぎると俺も思う。

「なのになーんで、一人で行っちゃうかねぇ……」

こっちが眠気に抗ってる間に、きっとガクガクだろう身体を引きずってさっさとシャワールームへ。そりゃべったべたしてるのは気持ち悪ぃと思う。そのままにしとくと腹だって下すし。分かってるけど、なあ?

「あー……」

汚れたシーツをぐるぐるまとめて床にほおり投げる。新しいのを引っ張り出すなんてのは面倒だからしない。ベッドから降りるの面倒くせぇし。
遠くでざぁざぁとシャワーの音だけが聞こえる。その隙間に色っぽい声でも聞こえねぇかなぁ、なんて耳を澄ませてみるけれど、流石にちょっと無理があった。一度だけ鍵が開いてたから入ってやった事があるが、あれは眼福モノだった。
だって想像してみろよ?床に膝ついて壁に上半身預けて、こっちに見せつける様にして……なんて誘ってなかったら一体何なんだっての。勿論美味しく頂いて、翌日家電をかき集めた城の中に籠城されたのは今となっては思い出の一つだ。アレ以降しっかり鍵かける様になったんだからこっちとしては困ってる。
そんな事を思い出しつつ枕抱いてうだうだしてたら、ぱたぱたとスリッパの音がやっと近づいてきた。おっせぇの。原因俺だけど。

「また丸めるだけ丸めて……」

入ってきた途端これ。眼鏡はかけてないし、前髪だって軽く拭いただけで顔にかかってる。なのに俺よりそんな事ばっかり気にすんなよ。良いじゃんか、それくらいさ。

「いーじゃん、ベタベタだし。それよりカモン、アーンディ」
「……」

一瞬嫌そうな顔をしたけど、割と素直にベッドに近づくと、持っていた皺一つないシーツを広げる。

「ほら、退いて」
「眠いからヤダ」
「じゃあせめて身体の下に入れてください。……貴方、なんでまだ裸なんです」
「俺様寝る時全裸派だから」
「アンダーのみじゃなかったですっけ」
「細かいなぁ。ほら、良いからそういうの」

腕を引くと、観念したようにベッドに上がる。新しいシーツは適当に拡げられて、何とか最低限の働きが出来る様にはされている。

「あーったかいの」

まだしっとりと赤みがさす肌は、眠気を増長させる程度に温かい。

「シャワー、浴びましたから」
「そーいうのじゃなくて……あー、もう駄目。眠い」

腰に抱きついて、太腿に顎を預ける。覗くバスローブの下は……何だ、コイツ穿いてやがる。
残念に思いつつ、頬を摺り寄せて、目を閉じた。すると、どうしたんだか温かい掌が俺の髪に触れた。それは触れるだけじゃなく、ゆったりと髪を梳いて遊ぶ。

「……そうしてるアンタ、珍しく年上っぽいな」
「貴方が年下っぽい事をしないだけですよ、ライアン」

酷く優しい声が降る。どうしたんだよ、珍しいな。

「もっと呼んで」
「ライアン」
「もっと」
「ライアン」

瞼が重い。なあ、今アンタどんな顔してる?どんな顔で、俺の事見てる?
……ああ、カメラ。カメラが欲しい。今のアンタの顔、きっと良い写真になる。

「おやすみなさい、ライアン」
「……ん、お前も……。アンドリュー……」

おやすみ、また明日。
メシ食って仕事して、ヒーローしてずるずる終わってく、日常。アンタと、二人。







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