どうしたら良いと、君は思う?








最善方法は君次第








「ワタシはこんなにも君を愛しく思っているというのに……」


君は酷いね
勿論そんなところも君の愛しい点の一つにすぎないけれども
それでも、ワタシにも限度というものがあるのだよ?


「君はワタシを見るとすぐ逃げ出してしまう……」


だから、普通に話をするだけなのに、こんな風に捕まえておかないといけない


「放せ……!」


「それは無理というものだよ。なに、大人しくワタシの話を聞いてくれれば、すぐに解放してあげるよ」


本当は話の後もずっと抱きしめていたいのだけれどね
ある程度の譲歩をしないと、君は話もしてくれない


「……なら、さっさと話せ」


おやおや、そんなに睨まなくとも……
でもその瞳もとてもイイね


「では手短に用件を言おう。どうしたら、君はワタシを好きになってくれる?」


勿論、ワタシと同じ意味で


「……オマエがどうしようとも、僕は好きになんて、ならない」


手厳しい返事だね
でも、本当にそうだろうか?
ワタシはそうは思わないのだけれどね
勿論、自惚れとか願望ではなく


「本当に?」


「…………」


目を見て言えば、君は目を逸らして答えようともしない
……分かっていないのだね、それが答えだという事に


「答えてくれないのなら、ワタシは勝手に好きなようにやらせてもらうのだけれども……それだと嫌われてしまいそうだからね」


無いとは思うのだけれども、ワタシだって不安くらいあるのだよ?




「答えてくれないかい?タイムマン……ワタシは心の底から君を愛しているのだよ」




君はワタシの言動の全てをすぐさま否定してしまうけれど、こればかりは否定させない
ワタシは、君に愛されることを願っているのだから


「…………」


ワタシの言葉に何を思ってくれただろうか
瞳を伏せられてしまっているから良く分からない
……いや、口にしてくれるまで分かりたくないのだろう
君はワタシの事を何時でも余裕ぶっていると思っているようだが、本当のワタシはそうでもない
君の言動と行動に一喜一憂する、素晴らしく単純なロボットなのだからね


「……………………な」


「ん?」


「…………こういう、突飛なことを、するな」


「……サプライズは嫌いかい?」


少しだけ掠れた声
一瞬だけ合って、すぐ離れた視線
取り繕った無表情
全てが愛しい


「…………予定にない事は、嫌いだ」


つまり予定に組み込めることなら良いのだろうか?
ワタシはそう受け取ってしまうのだけれども、君は分かって発言したのだろうか?


「そう……つまり、突飛でなければ良いのだね?」


「…………」


無言で微かに頷く
ああ!なんと可愛らしいのだろう!


「分かった、ありがとう……では約束通り解放してあげるよ。でも、その前に一つ良いかな」


君の為に、ワタシの為に、ワタシが出来る事、したい事を








「君に口付けさせてくれないだろうか?……勿論、嫌ならば止めるよ」


つまりこれならば、良いのだろう?





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