白黒的絡繰機譚

ham up

バレンタインネタ 一応メットレス描写有り

ファンからのプレゼント、食品やパーツは禁止。前者はそもそもロボットに贈るものでもないと思う。俺は一応食べれる……というか、咀嚼して飲み込むまではできる。消化してエネルギーに……なんて、そんなの非効率だ。なのにどうして飲み込めるかって、勿論演技の為だ。演技とアクションと、その為に俺は作られている。

「……そういった、演技をご所望で?」

意味のない台詞。けれど、こういうのは言わなければならないんだから面倒だ。この人相手に面倒で済むなら随分と軽いコストだけれど。

「君って、そのジョーク好きだね? 俺も嫌いじゃないけど」

そりゃあ良かった、と肩をすくめて見せる。アンタの存在と行動の方がよっぽどジョーク(であって欲しい)だけどな、とは勿論言わない。

「そもそも、後が面倒なんですよ。知ってるでしょうけど」

当たり前だが消化もされないで溜まる何かは処理をしなければならない。この人は恐らく、俺よりずっとその手順や煩雑さを分かっている。最悪なことに。

「うん。だから食べてほしいんだけど」

自分は無理だから、なんて嘯いて。貰ったけど食べれないから、なんて大嘘を吐いて。俺よりずっと、演技が向いてますよアンタ。

「……。まあ、頂きますよ、ありがたく」

それに比べたら俺のなんて大根同然。

「はい、じゃ、あーん」

パターンの少ない表示に変化はなし。やっぱりアンタのが演技がお得意だ。消えきらない反発心がのろりと指を動かす。さて、何も隠せない俺の頭部は今演技ができているだろうか。分からないし、分かりたくもない。ここにいるのは大根役者と節穴の観客兼共演者。
でも、ありがたくも迷惑なことにブーイングがないならこのままで。最後はいつものオチなのだし。