聞かぬはなんとやら
バレンタインネタ
「今日、なんの日かジェミニちゃん知ってる?」
うーん、我ながらひでえ切り出し方だ。頭が軽そうにも程がある。逆に見られるよか色々やりやすくはあるけどな。ただジェミニ相手にそう見られたいかというのは別の話になるが。
「スネークお前、そういうのに興味があるのか」
呆れたような、驚いているような。口ぶりからすると、どうもあちらはご興味がないらしい。ま、予想はしてたが。
「そりゃー? お一人様ってワケでもないんだし?」
「……」
ジェミニはなにか言いたげにしたが、結局飲み込んだらしい。別に何言ってくれても俺は構わないんだけどな。ま、こういうのは仕方ない。ややわざとらしくジェミニの隣に座る。
「それでまあ、何あげようかなーって色々見てたわけよ。多すぎて何も決まらねえなってやってるうちに当日ってオチ」
今度こそ驚いた表情をされる。予想通り。
「いや、今どき貰うだけの姿勢もどうなのって話じゃん。俺ってばどっちかって言うと尽くす男だし」
「どの口が……」
「ま、結局言ったように決まんなかったワケだけど。ジェミニの好みって俺じゃよく分かんないし」
まあそうだろうな、とジェミニが頷く。そして暫く探るような視線を向けてきた後、口を開いた。
「……先日ネットで、缶が中々の菓子を見つけてつい購入したんだが……」
ジェミニが立ち上がり、ありふれた箱からきらびやかな缶を取り出す。
「さて、中身には興味がないのでな。処分に困っていたんだが……」
どうしたものだろうな、とジェミニが微笑む。その指には、中身のチョコレートが一粒、摘まれていて。
「適任なら、お前の横だぜ?」
こちとら蛇なんで、目の前の獲物は我慢出来ない。勿論十分分かってんだろうが。
「じゃあ頼もうか。――次からは、こういう方向性で選んでくれ」
了解、ジェミニ様!