I knew it.
「博士と、お嬢さんにも聞いた上で言うんだがな」うん、と生返事をしつつ、手元に集中する。片手で片手のセルフメンテ、ロボットに利き手も何もないが、やはりやりにくさは拭えない。だが、これは俺の得物と言っても過言じゃないものだ。俺自身が理解して、管理しなければならないもの。何故か突然部屋にやって来て、俺へ言いたいことがあるらしいスカルからすれば「んなもの、必要か?」で切って捨てられる工程なんだが。理屈は不明だが、スカルは戦闘に関しては人間で言う天才肌のような挙動をする。どんな状況・状態でも、戦闘が遂行できるように最適化されている……のかもしれない。博士も想定外の部分があるらしい。その代償なのか、戦闘以外の、特に感情や発話表現に関しては難がある。
「……おい、ちゃんと聞く気あるか」
「あるある。だからさっさと本題を言え」
「本当か? これで失敗したら俺が……いやお前もお嬢さんに怒られるんだぞ」
床に胡座をかくスカルへと身体を向ける。拗ねたような顔は、俺と目が合って少し和らいだ。ま、和らいだところでそもそもの面構えに問題があるが。
「お前、何かやらかしたのか」
しかも勝手に俺を巻き込んで。
「やらかしてない。が、場合によっては今からやらかすかもしれない。ま、そうはならないだろうと二人とも言ってたが」
不安しかない。一体スカルの口から何が飛び出してくるのか検討もつかない。正直もう追い出したいんだが、それはそれで面倒にしかならないだろう。
「……で、結局何がどうで何なんだよ」
「うん、俺はお前のことが一番好きで、お前も同じだから、ソーシソーアイって言うんだろ」
ばき、と手の中で細い金属が折れた。スカルはふてぶてしく笑っている。ムカつく悪人面しやがって。
「二人とも正しかった……ってことでイイんだよなこれ? おい、リング大丈夫か」
大丈夫なわけあるか。何が何だって? 何を博士とお嬢様に聞いたって? それで言うのがあれで、お前はなんでもう満足げに笑ってるんだ?
「ああ、大丈夫だな。やっぱり正しいのか。それで……どうだったか、ハグ? とか、キス? とかしていいのか?」
分かってないのに行動しようとするな。それはそれとして、その結局本題は……まあ、悔しいが否定はできないんだよな。本当に悔しいことに。