貴方達だけに言うんだから
お願いだから内緒にしててね?








はなになれ








「ねぇ、お花さん。ボク、どうしたら良いと思う?」


誰にも相談できなくて、誰にも相談したくなくて
こんなこと話せるのは貴方達だけ


『言っちゃえばいいじゃない、貴方が好きですって』


「……言えたら、お花さん達に聞かないよ」


言えないから、困ってるのに


『なんで言えないの?あの人はとっても優しいじゃない』


「……優しいから、言えないの!」


優しいから、言えない
あの人はとてもとても優しくて、とてもとても優しすぎるの
だから、言ったら困らせちゃう
大好きだから、困らせたくなくて言えない
……大好きだから、言いたい


『プラントちゃんは悩んでばっかり。私達が何を言ったって、変わらないじゃない』


「そうだけど……だって……ボク……」


言えないのはとっくに分かってるよ
どうしようもないのも分かってるよ
でも、誰かに言わなきゃ言っちゃいそうなんだもん
ボクの中で『大好き』が膨れ上がり過ぎて、こぼれてしまいそうなんだもの


『……ほら、そんなこと言ってるうちに、あの人来ちゃったわよ』


「えっ……ボ、ボクどうしよう。ねぇ、お花さん」


まだ何も、ボクの中では整理できてなくて
むしろどんどんこんがらがって、ぐちゃぐちゃになっちゃっているのに


『しーらない。頑張ってね、プラントちゃん』


からかうように突き放されちゃえば、ボクにはもうどうしようないの
だから、せめて不安とか、色々なものが顔に出ないように頑張るだけ


「……お、おはようございますっ!ホーネットマンさん」


頑張ってニッコリ笑えた…はず


「ああ、お早う、プラントマン」


ホーネットマンさんも笑顔でお返事してくれたから……何とか大丈夫だったみたい
……よし、今日も頑張れそう


「今日は植え替え作業だから、時間もかかるし大変だろうと思うが一緒に頑張ろうな」


「はい!ボク頑張ります!」


ホーネットマンさんと一緒なら、何でも頑張れるに決まってる
だって大好きなんだもの
だから『大好きです』って言いたい
けど、やっぱり言えない








『言わないの?早く言っちゃえばいいのに』








……きょ、今日はまだ言わないの!