今日の気分はオマエの所為で、








チョコとチーズとブルーベリー








「…………」


今日の気分はサイアク
何にもしたくない


「クラウン、今日はどうしました?」


「べっつにぃー?」


「……そうですか。で、クラウン?」


「何だよぉ」


「腕、放していただけませんか?」


「…………やーだね」


だって放したらどっか行くんダロ?
クラウンマン様の許可もなしにどっかになんて行かせないんだからな!
……ただでさえ最近は手品に明け暮れて俺の事ほったらかしてくれてるし
これくらいのこと、俺にはするケンリくらいあるはず


「ですがねぇ、これでは私何も出来ないんですけれども」


そりゃーそうだろ
もうしっかりグルグル巻きつけてるからな
何も(特に手品!)させてやるもんか


「別に何もすることなんてないだろぉー……」


「いえいえ、大事な用事があるのですよ。だから、放していただけませんか?」


「…………ヤダ」


大事な用事?
そんなものさせてやるもんか
俺以外に大事なものなんて、なくていいんだから
俺以外が、大切な訳ないんだ
そうじゃないと、いけないんだからな


「クラウン……」


何だよ、その呆れた様な声
俺様が何か悪いことしてるみたいじゃん?


「ハァ……クラウン、知っていますか?」


何で溜息なんか吐くんだよ
ムカつくなぁ


「何?」


でも会話は続けたいから、反応だけは返してやる


「この前二人で行った喫茶店あるでしょう?」


「んー……ああ、アレ。アレが何だよ?」


ちょっと前に手品の助手してやったら、お礼だとかで連れて行かれた喫茶店
ココアとショートケーキを食べたっけ
結構……美味しかった


「あの喫茶店がですねぇ、ケーキのメニューが増えたらしいんですよ。だから、」


……ここまで言われれば次の言葉は分かってる
そういうこと……なんだよな?




「一緒に行きませんか?勿論、今から」




「…………奢り?」


「大人が払うのは常識でしょう?と言うか毎回私が払っているでしょうが」


「制限は?」


「今日は特別に無しです。幾つでもどうぞ」


「……んじゃ、行ってやる」


巻きつけてた腕を解いてやる
背中から降りると、わざわざ屈んで視線を合わせてきた





「最近私自分の事ばかりで、貴方を蔑ろにしてしまっていて申し訳ありませんでした。これはお詫びです。そう、そしてこれが私の『大事な用事』ですよ」





「…………」


なんだか、


「許していただけませんか?」


「…………」


すっごくムカつく
でも、








「……クラウンマン様は優しいから許してやるよ!」


それ以上にここまでしてくれるのが嬉しかったり


「ありがとうございます。では、行きましょうか」


差し出された手は子供扱いされてるみたいで少しムカつくけど、今日は許してやるよ!