今日も世界は平和な普通の日
掃除もお洗濯も終わって、ちょっと一息つけるかな、と思った時のことだったわ
私の耳に良く知った声が助けを求めてきたのは








なんだかんだで








「た、助けてほしいであります〜!!」


「アイスマン?」


声の主はアイスマン
随分必死な様子走ってきたと思ったら、すぐ私の後ろに隠れちゃったの


「どうか助けてほしいであります……」


「助けてほしいって言われても……何があったの?」


私が訪ねてもアイスマンは半泣きで震えて何も言わないし、どうしようかと思っていたら……来たわ
アイスマンが必死に逃げてきたその原因が


「うおおおー!!燃える萌える!俺は今、お前に萌えているぞアイスマン!!」


やって来たのはファイヤーマン
別に悪いロボットじゃないんだけど……時々こう……なんか目が怖いのよね


「止めなさいファイヤーマン!アイスマンが怯えてるじゃない!」


今にもアイスマンに飛びかかっていきそうなファイヤーマン
このままじゃアイスマンどころが私まで危ないわ!


「邪魔か?邪魔をするのか?だがその方が燃えるというもの!ファイヤー!」


駄目だわ……余計にヒートアップしてる
でもどうにかして止めなくちゃ……どうすれば……


「……!!」


そう考えながら周りを見回していた私の目に飛び込んできたのは、さっきまで掃除に使っていたバケツ
まだ水は……入ってたわ!
一歩踏み出してバケツを掴んだ私は、迷うことなく中身を目の前にぶちまけた








「…………うぅ」


「ちょっとは反省したかしら?ファイヤーマン」


私が水をかけた所為で少しだけ大人しくなったファイヤーマンは、ちょっとぐったりした様子で私と後ろのアイスマンを見つめていた


「怖かったであります……お二人とも」


ずっと黙っていたアイスマンがそうボソリと呟いたのを私は聞き逃さなかった


「……それはどういう意味かしらアイスマン?」


「な、なな何でもないであります!!」


まったく助けてあげたのに失礼しちゃうわ!


「ともかく!ファイヤーマン!これ以上アイスマンを困らせないこと!良いわね!」


「…………」


火が消えたからか、ファイヤーマンは黙ったまま
とりあえずこれで当分大丈夫だとは思うけど……


「アイスマンも!逃げるだけじゃなくて嫌なら嫌ってちゃんと言わなきゃ駄目よ!」


「わ、分かったであります……」


「……アイスマン」


黙っていたファイヤーマンがさっきまでとはうって変わった大人しい口調でアイスマンの名前を呼んだ


「何でありますか?」


「……俺が嫌か?」


そう尋ねるファイヤーマンは随分ションボリした様子で……ちょっとだけ可哀想に見えたの


「……そういう訳ではないでありますが……その……いきなり追いかけて来られるのはちょっと怖いであります……」


「なら、俺が嫌という訳じゃないんだな?」


「は、はい!」


「そうか!アイスマン!!俺のお前への愛は今!更に熱く燃え上がっているぞ!!」


そう言うと、ファイヤーマンはアイスマンを力いっぱい抱きしめたわ


「く、苦しいであります……!」








なんか私だけ仲間外れ
……なんだ、普通に仲良いんじゃない