白黒的絡繰機譚

極上

事後ネタ

率直に言おう。思ってたより相当良かった。
いや、なんか女よりやばいとかはちょっと聞いてましたよ? でもまさか一発目でこれは予想外っつーか。死んでから認識が変わるなんてことなか……いや沢山ありましたけど、こんなとこまで認識を改めさせられることになるとは思わなかったというか。でもそんな動揺を表に出すとかダサすぎるんで、平静装って煙草吹かしてんのが今。全力で行儀は悪いが、そうでもしないとヤバい。
ちら、と横目で伺うお隣は、こっちに背を向けている。寝ちまってるのかねぇ、なんて思っていたところ、

「……もう、君とは……しない」
「はい?」

なんて、突然の爆弾投下だ。流石のクリティカル。

「えっ、あの、その」

正直最中は滅茶苦茶エロい顔してたんですけど?! あれってもしかしてオレの勘違いでずっと耐えてたってことか。まじか。凹むってレベルじゃねーんですけども。

「その……それなら、スイマセンでした。アンタの身体にゃそりゃ負担はあると思って、できる限りのことしたつもりですけど……。その様子じゃ足りなかったってことだよな。悪い、完全にオレの落ち度ですわ。正直がっついたとこあるし、そりゃあどっか痛めても当然つーか……。とにかく悪かった。言いたかないかもしれねえですけど、どこが痛いんで? 毒が専門ですけど簡単な薬なら……いてっ!」

突然脇腹に拳を食らう。そりゃオレが一方的に悪いですけど手まで出すことは……。

「そ、うじゃ、なく、て」

何時もと違う、小さな小さな声がする。背中を向けられているのは相変わらず、けれどさっきまでとは明確な差がある。

「……よすぎて、もう、わけわからないから……もう、やだ」

髪の隙間から覗く、形のいい耳。そんな真っ赤にされてりゃ、オレの動揺なんざ杞憂だったってのは丸わかり。

「……、……あのねえ、オタクだって男なんだから、そんなこと言われてハイそうですかなんてしないってわかるっしょ」

率直に言おう。このアウトローは予想以上に最高だ。