白黒的絡繰機譚

これで普通の友達とかナイナイ

マスター(ぐだお)視点

「ロビンって、ビリーのことすごい好きだよなあ」

昼ごはんのクリームシチューを口に運びながら、特に意図はなくそう言った。口の中でほろほろに崩れる鶏肉を堪能して飲み込むと、カランと音がした。顔を上げると、目の前に座ったロビンがなんだか少し青い顔をしていた。

「えっ?! ロビン俺変なこと言った?!」
「あの、なんでそう思ったか、聞いても」

相当動揺しているらしく、少し片言気味だ。

「え、だってほらこの前これからビリーと酒飲んでカードだってすごい嬉しそうに言ってたし……」
「オレそんな嬉しそうでした?!」

そりゃもうウキウキしてたけど……本気で驚いているみたいなんで、アレは無自覚だったらしい。まじかよロビンフッド。

「それにほら、俺が用事あってロビンやビリー探した時っていつも一緒にいたし、なんかその時のロビンって大体笑ってるし」
「まじか……マジかよ……」

ロビンが頭を抱えている。

「あとさっきも席探すっていうか、ビリー探してたよね? で、隣埋まってるの分かってがっかりしてたの分かりやすかったし……」
「……座に還りたい」

それだけは止めて、と言ったけれど聞こえてるだろうか。ロビンはもう、それはそれは凹んでいる。すごい悪いことをしてしまった気がする。この空気をどうしたらいいんだろう。

「――ロビン!」

俯いていたロビンが凄い速度で顔を上げる。勿論その先にいる名前を呼んだ人物はビリーだ。

「この後暇? 女性陣からゲームのお誘い受けたんだけどチーム戦だっていうからさ、組んでくれない?」
「仕方ねーなあ。食ったら行くんで先どうぞ」

……さっきまで凹んでたのに、もう笑顔で声もウッキウキなんですけどロビンさん。シチューも凄い美味しそうに食べてるし。これで自覚なしって、ねえ?どう考えてもビリー大好きです本当に以下略。