No problem!?
今日、何かが起こるという予感はあった。しかしこの状況を見て、思わず踵を返したい衝動に駆られる。
「……何で」
ああ、何で、何で!
「盾くんおはよう」
「遅いぞー、盾」
「おはよう、河野君」
「何でいるんだよテメエらぁぁぁ!!」
さようなら、俺の安らかな日曜日。
こんにちは、厄介事。
……とりあえず、状況を整理しよう。
今日は日曜日、ただの予定も何もない休日。で、俺は今起きてリビングに来た。
……そうしたら、今のテレビで母さんと鋼野がパワプロしてて、真道市がそれを見ていた。
ああ、普通じゃない、普通じゃない……。
「……で、何しに来たんだよ」
俺は機嫌もテンションも最低値。
なのに目の前のこいつ等ときたらニコニコしてやがる。
「決まってるじゃない」
「そうだぞー、盾。わざわざ来てやったんだから感謝しろよ?」
……意味が分からない。
感謝? ふざけんな。
正直、今すぐ帰って欲しい。
「…………」
この俺の全身から湧き出る不機嫌オーラを察してくれ。
頼むから……マジでホント。
「盾そんな顔すんなよなー。別に今日は喧嘩する気もなんもないし。な、真道市」
「そうですね。河野君、僕たち争うのは止めたんだよ」
「ソウデスカ……」
そんなこと言われようと俺の気持ちは変わらない。
とりあえず、帰れ……。
……大体、前提がおかしいんだ前提が。
こいつ等が何争ってるかっていうとアレだぞ? 俺をめぐって争ってるらしい。
これほどまでにどうでも良くて、迷惑な争いも無いんじゃないか?
勿論、主に俺にとってな……。
< 「で、だな、盾。お前に言っとかなきゃいけない事があるんだ」
「すっげー、嫌な予感がするんだが……」
どうせ碌な事にならない。
これまでに培われてしまったモノたちが俺にそう告げる。
けど、俺に逃げ場はない。
2対1という不利極まりないこの状況、頼りにならないけれど、一応味方であったはずの母さんはとっくにコイツらに気を許してしまっている。
こうなってしまっては、俺の意見を通してくれる人物は誰一人としていない。
「まあ、そんなこと言わずに。あのね、きっとそのうち河野君は僕らのうちどちらかをちゃんと選んでくれるとは思うんだけれど……」
どっちも選ばんという選択肢はないのかよ……。
「俺たち待ってらんねーんだよ」
自分勝手極まりないな……お前ら……。
「だから……ごめんね?」
俺に伸びる4本の腕。
「え?」
起きてから大して時間が立っていないのに、俺の身体はまた仰向け
布団より硬い場所に押し付けられる
……つか此処でおっぱじめる気かお前ら!母さんいるんだぞ!?
「な、これで万事解決。問題無いだろ?」
ニッコリ笑ってそう言われようとも、俺の気持ちは変わらない。
それはアンタ達だけだ!!