これがオススメ!
きっと君も、気に入ってくれるよね?








重量オーバー








「ね、コレ、コレも!」


「ちょ、ちょっと待ってよ。分かったから……」


待ってなんかいられないよ
もっともっと、君に気に入って欲しいものがあるんだ

今日は一緒にお買いもの
遊びに行ったら、今からお使いなんだって言うから、ちょっと我儘言ってついて来ちゃった
メモにあったものはもう全部かごに入れ終わって、今はお菓子コーナー巡り
ライト博士も優しいよね
『お前たちの好きなものを買いなさい』っておこづかいくれたんだもの

だからね『好きなもの』を買うんだ


「あ、忘れてた!ロックー、これもだったよ」


「……?それ、さっき入れなかったっけ?」


「違うよー。さっきのはチーズ。これは塩味だよ」


スナックは美味しいけど、味がたくさんあるんだよね
目移りして、困るなぁ


「ふーん……でもさ、クラッシュ、ちょっと買い過ぎじゃない?確かに博士はたくさんお小遣いをくれたけど……」


「だってどれも好きなんだもん。ロック、あんまりこういうの食べないでしょ?」


ロックの家にあるのは、ほとんどが手作りのお菓子
それはとっても美味しいんだけど、お菓子ってそれだけじゃないでしょう?


「確かに食べないけど……クラッシュはこういうの、好きなの?」


そんなの、決まってるじゃん


「大好きだよ!だから、いっぱい買うの!」


好きなものって、いっぱいあっても困らないでしょ?


「でもさ、限度ってものがあると思うんだ。いくらなんでも、これは買い過ぎじゃない?」


「……そうかもしんないけど。でも、きっとすぐだよ」


ロックはいっつも正しい事しか言わないね
多分このお菓子はいつものバスケットから溢れるし、ロックの部屋を占領しちゃうかも
でもでも!俺だって考えて行動してるんだよ、分かってる?


「すぐ?」


「俺とロック、二人で毎日食べよう?どれも俺の大好きなおいしいお菓子だから、ロックも気にいると思うし、そうなればすぐなくなっちゃうよ」


ね、俺の好きなものを好きになって
ちょっと多いかもしれないけど……絶対、口に合うと思うんだ
どこかで聞いたんだ、好きなものはみんなで共有する方が良いって
……ロックだけは、共有したくないけど


「……本当にすぐ食べ終わっちゃうかなぁ」


「そうだと思うけど。俺、いっぱい食べちゃうし」


止めてくれないと、際限なく食べちゃうんだよね
どうしておいしいものってあんなに量が入るんだろう?


「でも、こんなには僕の部屋に置いてられないよ」


……駄目?
俺、ロックを困らせてるの?








「だから、半分はクラッシュの部屋で一緒に食べよう?良いでしょ?」








……勿論良いに決まってるじゃん!